魔のConcone#25。
「リズムが伴奏と一緒になってしまっている」
練習のとき、そこはあまり気にしていなかったのだが、指摘されて直そうとするとメチャクチャ難しい。
難しすぎてどんどんパニック状態に陥り、ひたすら崩れていくのだった・・・
結局、この日はそれだけで終わってしまった。
Concone#25は、次回以降に持ち越し。
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(その後の話)
伴奏の3連符を聴きながら、付点8分+16分で歌う。
似たようなのが(逆だったが)以前にもあって、そのときはその場しのぎでクリアさせてもらった。
でも、これは全曲を通してそのリズムだから、これができないと先に進めないだろう。
先生は、
「3連符の、3つ目を聴いてから16分を歌ってみなさい」
と言われるのだけども、それでは、明らかに、絶対に遅い。
私の低性能な耳で分かるくらいほど、遅い。
「これはシューティングゲームで反射神経を鍛えるのが良いのか?」
当初は真面目にそんなことを思いついた。
が、鍛えたところで限界はある。
車に追いつけぬからとて、脚力を鍛えても無駄というもの。
で、ヒトの反応速度を検索した結果、こんな論文が出てきた
聴覚・視覚刺激反応時間に関する研究
【結論】 聴覚正常な被験者の平均は、210ms程度
(昭和の論文だが、人類そんなに変わるまい)
「音を聞いて、ボタンを押す」測定で、そこから「ボタンを押す」動作にかかる時間を差し引いたもの。
「音を聞いて、声を出す」時間は、210msに「声を出す」動作にかかる時間を足すのだろう。
だが、たとえば♩=60の曲では、
🎶3連符の3つ目=667ms
♬16分音符の4つ目=750ms
👉差分=83ms
83msで反応せねばならぬ。
♩=30でも、166ms。
反応に210msかかるのでは、間に合わない。
先生の教えは「結果としてそうならねばならない」という話に違いない。
だったら、どうすればいいの?
先生は、(合唱団では容赦ないけど)レッスンではものすごく寛容で、「できない」から怒ることはない。
「音大の2-3年でも、こういうのできないやついるよ。うた科はいい加減だし、先生も教えられない人がいる。ピアノ科とかは正確だけど」
(合唱団ではありえぬ)心優しいフォロー。役には立たないけど。
・・・いや、そんなことはない。
「ピアノ科に聞け」という助言に違いない。
早速、元合唱団員でピアノ科出身のMさんにLINEで泣きついてみた。
もともと、年明けたら食事にでも行こうね〜という約束もあった(双方の遠慮で、きっかけがないと実現しなさそうなやつ)。
その時点では、私は
「#25は、できるわけがない」
と自暴自棄で、これを口実に友達に会うことの方が目的になっていたが、#25の練習方法について
「伴奏に合わせて、16分音符で歌ってみたらどうでしょう」
Mさんは、なんと、自分で弾いたピアノ伴奏を録音して送ってくれた。
「Mさんがここまでしてくれたのに、投げちゃダメだ」
と思い直した。
Mさんの助言も、私には難しい。
けれども、なぜ難しいのか、を考えるうちに
「なぜ歌えないのか」「何ができないのか」
が明確になったのは、大きな一歩だ。
この曲は、リズム自体が難しいわけじゃない。
伴奏のリズムに惑わされずに歌う、のが私にはできない。
以前のように、その場しのぎでクリアするのではなく。
今回は腰を据えて練習して、技術として身につけよう。
まずは、3連符に惑わされずに16分音符を刻むところから。
「まずは」といっても、これはいきなりゴールだ。
それができないから歌えない。
PC音源の楽譜に、歌と伴奏に重ねて3連符・16分音符を入れた。
3連符にウッドブロック、16分音符にはトライアングル。
これを同時に聴きながら、16分音符を刻む・・・指で机を叩く。
トライアングルに合わせて叩くだけの、簡単なお仕事です。
が、私には難しい。
最初のうち、トライアングルの音は聞こえなかった。
音量的には聞こえても、意味として=リズムとして聞こえていない。
カクテルパーティ効果的なことだ。
まず、私には2種類のリズムを同時に聞けない、ということがわかった。
繰り返すうちに聞こえるようになってくるが、やはり曲の中でややこしい箇所になると聞こえてこなくなるし、トライアングルが聞こえている時はウッドブロックが聞こえてない気もする。
慣れてきたら、トライアングルの音を外して、3連符を聴きながら、16分音符で机を叩く。
やはりできないので、トライアングルを戻す。
だんだん、できたりできなかったりという状態になってくる。
できると思っても、伴奏の音量が上がるとできなくなったりする。
できたと思っていたときは、脳が3連符をシャットアウトしていたのだろう。
ここに、16分刻みの歌を入れてみたり、普通に歌ってみたり、ウッドブロックの音量を上げたり、分からなくなったらまたトライアングルをもどしたり・・・いろいろ取り混ぜてゴールを目指す。
16分音符で机を叩きながら歌う、というのはかなり助けになった。
この刻みはあまり正確ではないが、少なくとも3連符とは一致しないので、「3連符の3つ目の音よりも後に16分音符が歌う」は実現できるわけなのだ。
一進一退・・・いや、たぶん一退はしてないと思うんだけど、表面的にはメチャクチャになりながら。
実際、この1週間、特に初期の練習動画では「できねえよ!」とヤケになって楽譜を椅子に叩きつけたり荒れまくっている・・・