Der Vögel Abschied

Der Vögel Abschied by umikz

だいたい週1ペースで1曲あげる予定でいるんだけど、前回のAch Du lieber Igelが妙に短かったので、今週はもう一曲。
「鳥は別れを告げる」
タイトルで検索すると、日本語のページは出てきません。日本ではあまり知られていなさそうです。
海外の演奏や編曲は結構たくさん出てくるし、そもそも私が元ネタ帳として活用させていただいているDie Liederkiste様の該当ページにおかれましても、

・簡単なメロディ譜(in F)
・簡単なメロディ譜(in D)
・ピアノ伴奏+メロディ譜(in D)
・2声用(in G)
・ピアノ伴奏つき高声用譜(in F#)

といろんな種類の楽譜が提供されてます。最後のは当時の市販譜でしょうか。
というわけで、けっこう有名な曲なのかも。

歌詞の内容は、秋が渡り鳥が去りゆくにあたり、岩よ森よさらば、紅葉落ちなばいざゆかん・・・みたいなものです。
文学的で素敵な詩です。さすが詩人J.V.Eichendorff(知らなかったけど)

私の編曲は、引き続きV調のV度とか根音省略のV7、V9とかの練習になってます・・・

Ach lieber Igel

Ach lieber Igel by umikz

短い曲で、歌詞もこれ以上続かない。

あぁ、親愛なるハリネズミ
私を生きさせてください
私はお前に私の妹をあげます
私の妹グレーテを

妹ではなく姉かもしれないけど

「私」って誰?誰なの?
ハリネズミの餌?
妹を身代わりにして生き延びようって話なの??

これだけだと全く状況不明なんだけど、ドイツ語版WikipediaのHans mein Igelハンスぼっちゃんハリネズミ)というグリム童話の項目に、どうもこの童話の原型的なポジションとしてこの曲が紹介されているようです。
とすると、「私」はハリネズミ男の嫁にされそうになった姫なんでしょうか。

実は、原譜には#がなく、このままC-Durです。メロディにはF音が出てこないので、判別しにくいです。メロディがソで終わると終わった感がしないので(まぁ民謡にはよくあるんだけど)、G-Durに読み替えました・・・。

Ach Du Lieber Augustin

Ach du lieber Augustin by umikz

これは確かに聞いたことがあるメロディです。
検索してみると、たとえばこちらのサイト様「世界の民謡・童謡」で紹介されているように、「かわいいアウグスティン」として日本でも知られた曲のようですが、それにしても日本で実際に歌われているのは替え歌『岩をぶっちわり』だそうで、それは私は聞いたことないのですよね・・・どこで聞いたんだろう。

楽しげな曲調なんですが、内容は

「ペスト禍で何もかも失ってしまった!」

というもので、折しもコロナ禍真っ最中のこの時期に編曲することになるとは、何の巡り合わせでしょうか。

「可愛いアウグスティン」は、この歌の中では最終的に死んでしまったようです。
ちなみにlieberって、必ずしも容姿などが「可愛い」ではなく、英語のdearと同じく親しい人への呼びかけの言葉なので、アウグスティンはおっさんかもしれません。家族や友人がその死を嘆いているのだと思われます。

このフレーズ

Jeder Tag war ein Fest,
Jetzt haben wir die Pest!

【意訳】かつては毎日がフェストだった、いまは毎日がペストだ!

って、なんとも、現況と引き比べてしまいます。

これに倣って、何かうまいフレーズがないでしょうか、
かつては毎日が〇〇○だった、いまは毎日がコロナだ!
ってやつ。

曲調はむしろフェスト仕様で、妙に明るくシンプルです。
編曲の技があれば、ここに哀愁を紛れ込ませたりできるのでしょうけど、私は素朴にメロディに合わせています。
先日「V調のV度」を勉強したので、ラストに使ってみました・・・。

Aber heidschi bumbeidschi

Aber heidschi bumbeidschi by umikz

この民謡は、ドイツ語圏ではよくカバーされている有名な曲らしく・・・Wikipediaにも項目があります。
バイエルン方言で書かれたテキストで、内容は、1番では小さな男の子を置いて去った母親のことが書かれているようですが、2番以降ではその母親は天国に行ったことになっていて、おそらく亡くなったということなのでしょう。
しかし、タイトルの(そして曲中でもリフレインされる)Aber heidschi bumbeidschiはドイツ語的にも意味不明であるらしく、「寝なさい」という意味で子守唄なのだという説などがあるようです。

1番の中でもメロディは繰り返しなので、とても単純ですが、今回私の編曲として初めて「準固有和音」を使ってみた、編曲です。一個♭をつけただけですけど。

Åber heidschi bumbeidschi, schlåf långe,
es is jå dein Muatter ausgånga;
sie is jå ausgånga und kimmt neamer hoam
und låßt dås kloan Biabele gånz alloan!
Åber heidschi bumbeidschi bum bum,
åber heidschi bumbeidschi bum bum.

Åber heidschi bumbeidschi, schlåf siaße,
die Engelen låssn di griaßn!
Sie låssn di griaßn und låssn di frågn,
ob du in’ Himml spaziern willst fåhrn.
Åber heidschi bumbeidschi …

Åber heidschi bumbeidschi, in’ Himmel,
då fåhrt di a schneeweißer Schimml,
drauf sitzt a kloans Engei mit oaner Låtern,
drein leicht’ von’ Himml der ållerschenst Stern.
Åber heidschi bumbeidschi …

Der Heidschi bumbeidschi is kumma
und håt ma mein Biable mitgnumma;
er håt ma’s mitgnumma und håts neamer bråcht,
drum winsch i mein’ Biaberl a recht guate Nåcht!
Åber heidschi bumbeidschi …

(Quelle:Wikipedia)

Abend wird es wieder

Abend wird es wieder by umikz

正直なところ、何よりも目を引いたのは、
Hoffmann von Fallersleben
「世界に冠たるドイツ」を書いた超有名人じゃないですか〜。
もっとも、ファラースレーベンはそんな意味で Deutschland über alles と書いたわけではなく、純粋な愛国心から「何よりも大切なわが祖国」という意味で書いたものだ、と、私はNHKラジオドイツ語講座で20年ほど前に学びました(笑) ナチの時代よりはるか前の、ドイツがまだ統一されてなかった時期に書かれた詩ですからね。
彼は童謡もたくさん書いてるんですね。これから先も出てくることを期待します。

この詩のタイトルは、「また夕暮れになる」って感じでしょうか?
全体は、以下のようなもの。
この詩にはいろんな人がメロディをつけているそうで、ここで採用したRinckのメロディはその中でも最も古いもので、もともとは男声合唱として書かれたものだそうです。というか、先にあったのがメロディの方で、そこにこの詩をあてはめたのだそうですが、男声合唱だったからにはもとの曲にも詩があったはずで、それはなんだったんでしょうか・・・。(このメロディにも複数の詩がつけられているそうです、ややこしい)

Abend wird es wieder:
über Wald und Feld
säuselt Frieden nieder,
und es ruht die Welt.

Nur der Bach ergießet
sich am Felsen dort,
und er braust und fließet
immer, immer fort.

Und kein Abend bringet
Frieden ihm und Ruh,
keine Glocke klinget
ihm ein Rastlied zu.

So in deinem Streben
bist, mein Herz, auch du:
Gott nur kann dir geben
wahre Abendruh.
(aus Wikipedia)

A, a, a, der Winter ist da

A a a, der Winter der ist da by umikz

その1、2と続いた方言の意味不明な歌の後、子供向けのやさしい曲が登場してほっとしています。メロディはソルフェージュ初心者(つまり私レベル)でも初見で歌えそうなシンプルさです。他パートも覚えやすいと思いますが、テナーがけっこう激しいですね・・・ここでも、学習中の準固有和音の出番はありませんでした。何しろ、ドミソとソシレ(ファ)の和音しかないから仕方がない・・・それ以前に、そんな雰囲気の曲でもない。

タイトルは、「A, a, a, 冬がはじまるよ。」みたいな。
より正確には、冬がここに!みたいな感じでしょうか。
A, a, a とはなんぞや、というと、・・・意味はなさげです。

歌詞はこうなっています。

A, a, a, der Winter, der ist da!
Herbst und Sommer sind vergangen,
Winter, der hat angefangen.
A, a, a, der Winter, der ist da!

E, e, e, er bringt uns Eis und Schnee!
malt uns gar zum Zeitvertreiben
Blumen an die Fensterscheiben.
E, e, e, er bringt uns Eis und Schnee!

I, i, i, vergiß die Armen nie!
Wenn du liegst in warmen Kissen,
denk an die, die frieren müssen.
I, i, i, vergiß die Armen nie!

O, o, o, wie sind wir Kinder froh!
Sehen jede Nacht im Traume
uns schon unterm Weihnachtsbaume.
O, o, o, wie sind wir Kinder froh!

U, u, u, jetzt weiß ich, was ich tu!
Hol’ den Schlitten aus dem Keller,
und dann fahr’ ich immer schneller.
U, u, u, jetzt weiß ich, was ich tu!

A, a, a, 冬はここだ!
秋と夏は過ぎ去った
冬、それがはじまった
A, a, a, 冬はここだ!

1番の歌詞を訳せばこんなのです。ああ、普通に読める安心感。
で、結局 a, a, a とは何かというと、Winter の語尾の母音ですね。
A – Winter (ヴィンター)
E – Schnee (シュネー)
I – nie (ニー)
O – froh (フロー)
U – tu (トゥー)
と、対応してます。

クリスマスとか雪とかそり遊びとか、楽しさいっぱいな歌です。
3番だけ、唐突に
「寒さに凍える貧しい人たちのことを忘れるな」
と警告が入ってきますが、正論ですけど4番で何事もなかったかのようにクリスマスで大はしゃぎの子供の話に戻るので、とってつけた感が・・・

A Schlosser hot an G’sellen g’hot

A Schlosser hot an G’sellen g’hot by umikz

この曲を書いた Johann Konrad Grübel(1736-1809)は、方言詩人として有名な人であるらしい。
地元のニュルンベルクには、彼の名を冠した泉があり、そこに彼の銅像が立っている。・・・のを、Wikipediaで見ることができる(笑)

だが、支持者ゲーテにも批判された〜とあるように、この「方言」のために、全く意味がわからない・・・
機会があれば、バイエルンの人に聞いてみようと思う。

曲調そのものは、陽気で明るいものなので、楽しく歌えればいいと思う。
構造的には、A1-A1′-B-A2-A2’みたいな感じで、非常に似たフレーズの繰り返し。いま、準固有和音の勉強中なので、使えれば使ってみようと思っていたんだけど、使う隙が見つけられなかった…。


追記:
さっそくバイエルンの人に尋ねてみた。
タイトルは、「鍵屋にはある職人がいた」・・・タイトルとしては「鍵師の弟子」みたいな感じかな?
内容は、その弟子が仕事は遅いのに休憩で飯食うのは早い・・・、というようなものだそうです。

A Busserl is a schnuckrig Ding

A Busserl is a schnuckrig Ding by umikz

ドイツ語だけど、ちょっと方言っぽいのかな?
タイトルは
「Busserlとはschnuckrigなものである」
だが、Busserlもschnuckrigもわからない。
Busserlという単語をGoogle検索すると、クッキーの画像がわらわら出てくるんだけど、もとはといえば「Kiss」という意味であるらしい。「キス」で検索したらキスチョコ画像が提示されるようなものかもしれない。
そして、schnuckrigとは…検索してもこの曲名しかヒットしない。勝手に”schnuckelig”を検索されてしまうのだが、こちらは「可愛い」などの意味であるらしく、それはそれで意味は通るような気がする。

わからないのはタイトルだけで、歌詞自体はおよそ推測できる。

キスってどうすればいいのかわからない
それは食べるものでもない
それは飲むものでもない
でもとても美味しい

なのでタイトルも「キスって素敵」的な意味でそんなに間違って無さそう。
しかし、なんというか可愛い歌詞ではあるけど、妙に即物的であんまりロマンチックでないのがドイツっぽい気がしないでもない。

English Folk Songs

イングランドの民謡集です。
和声法の勉強を始めた、2018夏-2019春にかけて書いたもの。
まだ使える技術が少なすぎてとてもシンプルです。

Billy Boy

Billy Boy by umikz

この「ビリー・ボーイ」は、わりと有名な民謡らしく、Wikipediaにも項目がありますが、私が元にした楽譜とは少し歌詞が違っています。
しかし、大筋として、ビリー君がお嫁さんに欲しいと思っている女の子ナンシーちゃんについて、二番以降でものすごい詮索が並べられていきます。

たとえばここ

彼女はステーキ焼けるの?
彼女はシチュー作れるの?
彼女は羽布団作れるの?
彼女は針仕事できるの?
・・・

あなた、鬼姑ですか・・・??

という曲です(^_^)

たぶん一番有名なのは、Wikipediaにも出てくる

「彼女はチェリーパイ焼けるの?」(Can she bake a cherry pie?)

というフレーズだと思います。
なので、この曲を聞くと脊髄反射的にチェリーパイを焼きたくなります。あまり好きではないのですけど(笑)